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昴は数学を教えていた。
昴は本当は数学の教師ではない。
しかし、那月は昴が教えている内容を完全に理解していた。
そんな那月の様子を見た昴は動揺し、うまく数学を教えられなくなった。
一体なぜ?
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簡易解説
クラスメートの那月に質問を受け、答えていた昴。
那月が、質問してきた内容を完全に理解していることを知って、本当は那月が自分と話すきっかけを作るために質問してきたことを知った。
-Story-
放課後、今日は母の迎えが遅くなると聞いた昴は、母が迎えに来るまで教室に残って勉強していた。
◇◇◇◇◇
「ねぇ、ここ、わかんないから教えてくれない?」
そう、那月さんに話しかけられた。
那月さんとはあまり話したことがない。
よく放課後に学校に残っているのを見たことがあるので、勉強熱心だなという印象だけがある。
「わかった。いいよ。」
「ありがとう。数学って本当に難しいよね。」
尋ねられたのはあまり難易度の高くない問題だった。
那月さんってもっと頭良いと思っていたけど、この問題、分かんないのか。
意外だな…。
「これは、解の公式を利用して……こうやって解くんだよ。」
「なるほど、ありがとう。昴君って頭良いね。この問題も教えてくれない?」
質問されたのは、さっきより難しい問題だった。
「えっと、これはこうして、…ここから解の公式を使うんだよな。だから、答えはX=3だと思う。」
「なるほどね、ありがとう。」
俺は違和感を感じた。
なんか、さっきから那月さんはメモを取っている様子がない。
本当にこの問題が分かっていないのならば、解法のメモくらいは聞きながらするのではないか?
俺は那月さんのノートを覗き込んだ。
すると、やはり那月さんはさっきの問題を自力で解くことができていた。
『2次関数のグラフの形より、
…
…
…
X=4』
解説書を見ると、この問題の答えはX=4だった。
しかも、俺が教えたやり方は正しくなく、那月さんのやり方こそが模範解答に沿った正しいやり方だった。
那月さん、この問題分かってるじゃん。
じゃあ、なんで俺に聞いたんだ…?
そう思いながら、顔を上げて那月さんの様子を見た。
…。
那月さんと目が合った。
那月さんは顔を赤らめてこう言った。
「あっ、いや、なんでも、、ない、よ。」
明らかに慌てている。
「あっ…この問題も教えてほしいな。」
その時、俺は全てを理解した。
那月さんは俺と話すきっかけをつくるために、俺に質問してきたんだ。
自分はこの問題を理解しているのに。
その後、俺はそのことが気になりすぎて、那月さんに上手く数学を教えられなくなった。
◇◇◇◇◇
俺が那月を1人の女子として意識し始めたのはその頃からだっただろうか。
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