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王様 「なに?また異端者が出たと申すか。」
大臣 「はい。我々では手出しできません。もし異端者が増えたらどうすれば……」
王様 「我が王国に異端の者は許されぬ。閃いたぞ。ここはひとつ間抜けな人間どもを利用しようではないか。」
利己的な理由で異端者の駆逐をするため、王様は"人間"を騙して利用する事にした。
その結果人間たちは、ほんの少し温かな気持ちになった。
いったいどういうことだろう?
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(末尾に要約あります)
むかしむかし、あるところにクローバーの王国がありました。
その国を治める王様は、大変誇り高く仲間からも慕われる賢王でした。
でも王様には、ひとつ悩みがありました。
仲間の中に時々現れる異端者、四つ葉のクローバーの存在です。
三つ葉こそが美しき姿、異端者は種の正しき繁栄の敵。
いくらそう思ったところで彼らは植物。異端者を引っこ抜く手も足もありません。
そこで王様は一計を案じます。
世の中には"人間"という単純な生き物がいる。そうだ、彼らを利用しようと。
風に乗せ、虫に託し、土の匂いに紛れさせ、こんなうわさを流しました。
『四つ葉のクローバーは幸運を呼ぶ』と。
うわさはすぐに広まりました。
人間たちは四つ葉を見つけると目を輝かせ、嬉しそうに摘んでいきます。
「人間とは、なんと愚かで単純な生き物よのう。」王様は思わず呟きました。
……けれど。
「おばあちゃんの病気、きっと良くなるわ。」
「今日は良い事がありそう。」
「栞にしてあの子にあげたら喜ぶかな。」
「旅に出るあの人に持たせましょう。」
小さな喜びが日々の中にぽつりぽつり灯っていきます。
王様のたくらみは確かに成功し、三つ葉の秩序は守られました。
けれどそのたくらみの裏で、ほんの少しだけ世界は幸せになりました。
風は今日も、何も知らずに野原を駆け抜けます。
-要約-
クローバーが変異種を間引くため「四つ葉は幸運を呼ぶ」という噂を広めた結果、
人間は幸運の象徴を手に入れたと思い、少し幸せになった。
物語:1票