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ある所に争いを繰り広げていたカメーダとウミーオがいた。
カメーダは見る影もなくボロボロで、ウミーオは損傷がなかった。
それぞれを見比べた人たちは「ウミーオは敗者だろう」と推測した。なぜか。
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▽解説
それでは、本日の講義を始めよう。
今ほど配ったレジュメを見てほしい。
2枚の資料写真があるだろう。
上が「カメーダ王の骨壷」だ。
王墓から発見され、中には火葬されたボロボロの骨が詰め込まれている。
下が「ウミーオ公の白骨」だ。
王朝領内から全身に損傷がない綺麗な状態で出土し、装いなどから本人と判明した。
さて、この2人が激しい政争を繰り広げていたのは前回も触れたが・・・。どちらが勝者だと思うか?
3列目のキミ、スーツ姿のキミ。答えたまえ。
「骨に損傷のなかったウミーオじゃないか」と。
ふむふむ・・・。
1列目のパーカーのキミ、どう思う?
「ラテラール朝は火葬文化がある。
カメーダ王は真っ当に火葬されているのに対し、ウミーオ公は火葬されていない。
よって、適切に葬られていないウミーオ公が負けたのだろう」か。
キミはなかなか鋭いな。正解だ。
実のところ、ウミーオ公はカメーダ王の手先により、毒を盛られて暗殺されたと推測されている。
そしてその後、人目につかない地にそのまま埋められた──というのが、今の定説だ。
火葬文化のある地域で、彼ほどの有力者が火葬されていない時点でろくな末路ではなかった──ということだ。
ある時期からウミーオ公の名前が文献に出てこないという状況証拠から「ウミーオ公は敗れたのだろう」と伝わってはいたが、全身の白骨が出土したことでこの説は確定的なものとなった。
ということで、見事正解したパーカーのキミ。
キミはこの「中世ラテラール史B」の講義をなかなかしっかり受講していると見える。
ラテラール史に興味があるなら、後で私の研究室に来たまえ。
▽解説の解説
火葬文化の地域なのに、ウミーオ公の遺体は火葬されていない状態で見つかった。
適切な葬りを受けていない点から、研究者は「ウミーオ公が非業の死を遂げてそのまま遺棄された」、すなわち歴史の敗者であることを突き止めたのだ。
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