「幾何学的展開」のGoodトリック・物語・納得で良かったら1票分。全体評価で特に良かったら3票分Goodができます。
彼女は20cmの隙間を5cmの消しゴムで埋めることにした。
どういうことだろう?
解説を見る
(末尾に一行要約あります)
大学の講義室。いつも僕の隣に座る柚希。
僕らの間にあるのはノート1冊分のためらい。20センチの隙間。
そして彼女は消しゴムを忘れる名人。
「ごめん、また貸して。」
伸ばした手の指先が横切る。5センチの消しゴム。彼女との隙間が縮まる瞬間。
でも僕は知っている。柚希のペンケースの底に新品の消しゴムがずっと眠っていることを。
そして彼女も、僕が気づいていることをきっと知っている。
この隙間が壊れた先に何があるのか。それが怖くてお互い、もう二年も茶番を続けてる。
「今日は持ってきた。」
自慢げに消しゴムを見せながら、ある日突然柚希の放った一言。
「……そっか。」
漠然とした喪失感の中で、僕は力なく微笑むことしかできなかった。
柚希は少しだけ寂しそうに僕の目を見つめる。
「もう疲れちゃった。」
そして僕の袖を少しだけ掴み、最後の5センチの隙間が埋まった。
-要約-
5センチの消しゴムを借りる口実を重ね、最終的には20センチの隙間をゼロにした。
物語:4票納得:2票良質:3票