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カメコには、付き合って四年目になる年下の彼氏がいた。趣味が合い、いつも優しくしてくれる最高の彼氏。もうすぐ結婚するつもりで、来週には彼を家族に紹介する予定だった。
盛大な結婚式を挙げる日を夢想しながら彼の部屋を掃除していたカメコは、棚の奥に一冊の日記を見つけた。

その日記には、
ある遊園地でハンカチを拾ってもらった女性に一目惚れしたこと、
その運命の人に再び会うために、何年もSNSをサーチしまくったこと、
大学を特定して自分もその大学に行くことにしたこと、
住む家を特定してゴミから趣味や好きな食べ物を調べたこと、
集めた情報からその人物となんとかお近づきになれたこと、
そして、告白して付き合うようになったこと。

これらが、狂気的に思えるほどの数の愛の言葉と一緒に綴られていた。
その言わばストーカー日記を読んで、家族への紹介は今すぐ中止にしよう、とカメコは決めた。

数日後、カメコは久しぶりに実家に帰ることにした。彼を家族に紹介するためではなく、一体何のために?
24年06月24日 18:48 [うつま] [☆2023良いお年を]
【ウミガメ】
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