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雄介は、小さな花束を持って交差点の前に立っていた。
交通事故で死者が多発する「死の交差点」だ。

貧乏な彼に花を買うお金などない。
近くの草むらから摘んできたのだ。
彼はガードレールの下にその花束を置いて、
妹である由紀子のことを思いながら手を合わせた。

ごめんな。俺にはこんなことしかできない。

翌日、同じ場所を通りかかると、
昨日の場所には、花、花、花…花だらけ。
彼が置いた花を見て、他の人が供えてくれたのだろう。

雄介は泣いた。
多くの人の好意を踏みにじってしまった己の卑怯さに泣いた。

彼が卑怯とはいったいどういうことなのだろうか?
23年09月30日 20:11 [ひゅー]
【ウミガメ】【闇スープ】
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