喜んでくれるかな？

[概要]短め。
Aは幼い頃から軽度の暗所恐怖症を患っており、友人達はこのことを知らなかった。友人達が計画した、Aの誕生日パーティのサプライズとは、Aが主人公宅に着いて扉を開ける前に家の電気を消し、すこし経った後、電気を付け、Aが見てみると部屋の奥にいた主人公達が料理やプレゼントを持って現れAを祝う、といったもの。
しかし電気を消した直後、落雷で停電が発生。電気は意外と長い間付かず、主人公達もネタばらしをするか悩んだが、そのまま息を潜めて電気の復旧を待った。その結果(暗所恐怖症のAにとっては)長時間暗闇に居た恐怖によって、Aの暗所恐怖症の症状がさらに悪化。そのことに、友人達はやはり気がつかなかった。
電気が復旧した後、主人公達はAにネタばらしをして、パーティはそのまま続けられた。しばらく時間が経過した後、Aにケーキのろうそくを吹き消してもらうために、友人が電気を再度消した。2度目の暗闇により、Aは恐怖で一時パニック状態になり、そのまま机の上にたまたま置いてあったケーキ用のナイフを振り回した。ナイフは偶然主人公に当たり、結果としてAは主人公を刺してしまったのだった。


[ストーリー]長め。
ある年の、Aの12歳の誕生日。
僕は自分の家で友人達と一緒に、Aが尋ねてくるのを待っていた。「サプライズパーティ、成功するといいな〜」「ケーキとか、ちゃんと持ってきてる？」
空はあいにくの雨模様。でもそれとは裏腹に、君達の心は晴れ渡っていた。
「段取りはこう。まずAが僕の家に入って、リビングの扉の前に立ったと同時に、電気を消す！」「その後、怖がりながらもAが扉を開けて、ウロウロしてる…それで、しばらくたったらCが電気を付ける！」「んで、それと同時に部屋の奥にいる俺らが料理やプレゼントをAの前に持ってくるわけだ…。」「そうそう！バースデーソング歌いながら？」「そうしよっか！」「A、結構ビビりだけど大丈夫かな？お化け屋敷とか絶対行こうとしないじゃん。」「大丈夫だよ。皿の準備とかしとこうぜ！」「ビンゴとかいつやる？」
そうこうしているうちに、Aが到着。
よし…せーのっ！パチッ。
うわ…真っ暗だ。

A、何も言わないね？
そうだね…ね、そろそろ電気つけてよC…！
ちょっと待てよ、なんか…スイッチ押しても付かねぇんだけど…？
えっ、ウソだろ？
もしかしてさっきの雷のせい？どうしよう…
もうちょっと待ってみる…？暗くてよくわかんないな…

「……あ、電気が付いた…！」
「A！誕生日おめでとう！！！」
僕らの計画は失敗。隠れていた僕らは、結局Cの立っているスイッチの前に全員集合してたから。料理も置きっぱなし。でもAは笑って喜んでくれるはず。僕らはAの顔を見た。

ところが、Aは真っ青。僕は真っ先に、Aに大丈夫かと聞いた。
「うん…大丈夫だよ……みんなありがとう。」
僕らは驚かせたことをAに謝り、改めてパーティを再開したのだった。

ビンゴをしている間もAは元気が無さそうだった。
「よーし……A！ケーキ食べよう！」
ケーキを食べればAもにこにこ笑ってくれるに違いない。ろうそくをさし、それに火を灯した。
「電気消すぞ〜！」
「あっ…ちょっと待って…！」
Aが緊張した声で何か言ったけど、その前に部屋は暗闇に包まれた。
その瞬間。Aの叫び声が聞こえた。

その後、僕の脇腹がじんわりと温かくなっていくのを感じた。電気が付いて、始めて、僕が怪我をしている事に気がついた。

のちに、Aのお母さんから、Aは小さい頃、家にひとりで居る時に停電を経験し、暗所恐怖症になっていたことを聞いた。みんなにからかわれるかも…と、言わないようにしていたそうだ。
きっと、あの停電でAの心の傷は、さらに深くなってしまったんだ。僕らが停電の時、早くAの元に駆け寄っていれば……Aが恐怖症のことを僕らに言っていれば……いや、サプライズなんか計画しなければこんなことにはならなかったのかもしれない……。


その後。Aと僕らは互いに謝り合った。今でもAは僕らにとって、良き友人だ。今度は僕らがAの支えになれるように頑張るよ。あの時はごめんね。A。



解説を作るにあたり暗所恐怖症のことを調べましたが、やはり発症するまでの期間や症状は個人差があるようだった為この事件で発症するよりも、この事件の前からAは発症していた、という設定が現実味があるかな…と考えました。
因みに、名探偵コナンの話を1部参考にしております。知っている方も居るかも？
うむむ…問題を組み立てるのは難しいですね…なにかアドバイス等ありましたら教えて頂きたい。疲れました……